脱力のあまりがっくりとうなだれた俺の頭を、チョコが「よしよし」と撫でてくれる。

俺は目をつぶって、自分の頭の上に乗せられたチョコの掌の温もりに全神経を集中させた。


……こうしていると、気分が落ち着く。

うん。
なかなか気分いいぞ。
癒されるって、まさにこういうことなんだな……。


……まあ、な。別にいいんだ、別に。


俺は、チョコのこんな飾らない性格が嫌いじゃないし、さっきの発言だって異論はない。
むしろ大賛成なくらいだ。

なにしろ俺自身、数時間前にヤマタロ本人に同じようなことを言ったばかりだしな。


……ただ、なんというか、あれだ。

時折、チョコの外見と発言のギャップに胸がズキズキと痛むだけで……。



チョコを見上げると、片手で頬杖をつき、もう片方の手で

「よーし、よーし。何があったか知らないけど、元気出せー」

と俺の頭を撫で続けている。



……これじゃ、彼氏というよりペットだな。



「それにしても、ねぇー?」

気付くとチョコは、また深月とヤマタロのことを話し始めていた。


ヤレヤレ。

チョコのヤツときたら、あいつらのことになるといつだって、俺が止めるまで話し続けるんだから困ったもんだ。

深月が慎と付き合ってたときは、ここまでひどくなかったぞ。

一体、どんだけあの二人が好きなんだよ……。