One Day~君を見つけたその後は~

だけど、ヤマタロのターンはまだ続く。

「こっち向いて」

って両肩を抱かれると、強引にベッドの上に、向かい合うように正座させられて。

「ちゃんと顔、見せて?」

って、優しいのに完全な命令口調で言われる。


顔を上げると、目の前には当然、ヤマタロの顔。
しかも、どアップ。

ヤマタロの手が、優しく私の髪をなでる。


……やだもう。苦しい。

さっきから心拍数があがりっぱなしで、どうやって息をしたらいいかも分からない。

ちょっとタイム! お願いだから、休憩させてよー!


「なんか、顔、火照ってるぞ」

あたりまえじゃん!!

「恥ずかしいよ……。髪もボサボサになって、ひどい顔だし」

「そうか?」

それでも、満足そうに頷くヤマタロ。

「いつもと、大して変わらないけど?」

「もうっ! すぐそういうイジワル言うんだから!」

私が頬を膨らませると、

「冗談だよ。そーいう気持ちがうれしい」

そう言いながら、私の前髪を左右に分けて、おでこにふわっと軽いキスをくれる。

「ちゃんとオレのこと、意識してくれてる証拠だもんなー。ありがと」


どうしよう。

ぎゅって握っていたはずの拳から、体中から、みるみる力が抜けていくよ……。


だけど、ヤマタロの連続攻撃はまだまだ終わらなくて。

「さぁ、どうする?」

完全に思考回路が止まっている私の顔を覗きこみながら、楽しそうに話を続けた。


「約束しただろ? いい子にしてたら“ご褒美”やるって」

「……え?」

「さっきは会ってすぐだったし、お前も意識しまくりだったから、ちょっと様子を見てみたんだけど。そろそろ話を戻そうか?」


もしかして、さっき私の“ご褒美”発言をスルーしたのも、計画のうちだったってこと!?

なにその余裕!


「深月に好きなほうを選ばせてやる」

「……」


「“ご褒美”は、オレか、昼メシ。どっちがいい?」


見慣れているはずの、余裕たっぷりのヤマタロの目が、今はやけに色っぽい。

「昼メシの場合は、コンビニ弁当になるけどなー」



……ゴクリ。


とってもはしたない、けれど。

私は、思いっきり生唾を飲み込んでしまった。