すると、タケちゃんは得意顔。

「へへー。俺ってエラいと思いません? 深月先輩と一緒にいれば、もれなく恭太郎さんも慎先輩もついて来るってことに気付いたんです。だって、どちらか一人だけなんて、どうしても決められないですよー!」


……あ、そう。

私はただのエサってわけですか。

一瞬でもタケちゃん相手に期待しちゃった自分が恥ずかしすぎるよ……。


「やっぱりどう考えても先輩が最強ですよねー。だから一生ついていきます! さぁ、もう一回二人で飲み直しましょう!」

「……飲み直すって、何を?」

タケちゃんは私の腕をぐいって引っ張って。

「もちろんコーラです」

って、私を大座敷に連れ戻そうとする。

「えー、まだコーラ飲んでるの?」

「だってここの自販機って、お酒以外にはポカリとコーラしか売ってないんですよ-。そんな自販機、意味ないと思いませんか?」

それだけあれば、自販機としての役割は十分果たしていると思うけど。

「しかも値段高いし!」

うん。まぁ、それには同感かな?


「だけど先輩、こんな時間までどこで何してたんですか-。俺、寂しかったですよー」

弾んだ声でタケちゃんがあれこれ話しかけてくれていたけれど、私は既に上の空。

このまま大座敷に連れ込まれないよう足をぐっと踏ん張るのに必死だった。


……明日、家に帰る前に、ヤマタロに会いに行ってみようかな?

「おみやげだよっ!」なんてかわいい顔したら、喜んでくれるかも……。