One Day~君を見つけたその後は~

「……分からない。そういう経験したことないから」


慎と“友達”になって、

チョコや陽人にするように、自分の恋愛相談をする……?

そんなこと、全く想像できなかった。


「うん。俺も無理。……だから、当分“仲間”でいよう?」

「仲間?」

「そう、仲間。だって俺たち、引退するまでにタケを一人前のパートリーダーにしないといけないし。ぎくしゃくしてる暇なんてないだろ?」

「……あっ!」

……そうだった。

私たちが部活を引退したら、次はタケちゃんが後輩を引っ張っていく立場。

今、コーラで気持ちよーく酔っている、あのタケちゃんが……。


ブルブルッ!

暖房が切れてるのかな?
なんだか今、身震いがしたんだけど。


「大変だよな」

「うん。そうだね……」

「でも、頑張ろうか?」

「うん! がんばろー!」


「……別に俺は、ドキドキしてくれてもいいんだけどね」

「いやいや、そんなこと言われても!」

「だから、冗談だって」

「もうっ! からかわないでよ!」


ごめんごめんって、慎が笑う。

それにつられて、私も。


……あれ?

今、すごく懐かしい空気がしなかった?


それからしばしの沈黙があったけれど、もう、それを息苦しいなんて感じない。


私はもう、慎から目をそらしていなくて。

二人で目を見合わせて、笑ったりなんかして。


うん。
なんとなく、心地いいな……。


……と、その時。
私のポケットの中で、携帯が大きな音をたてた。