友哉があたしの手をひっぱり歩き出す。 周りがキョロキョロ見てくる。 そちゃそうだよね。 喋らない友哉だもん。 あたしは友哉の背中をみた。 大きい。 たくましい。 そんなことを考えていると 屋上についた。 ガチャ-- 「よし!!」 友哉があたしに背中をむけたままいった。 「なに?」 「これで、柚歌と喋れる。」 ”柚歌と喋れる” あたしと喋りたかったの? ギュ-- 気がつけばあたしは 友哉の大きな背中を抱きしめていた。