…平和だ。
 昔の俺ならあり得ないほどの平和だ。


 華やかな朝を迎えられ、穏やかに朝御飯を作ることができ、きちんと家族と言える人がいる。


 なんて幸福なんだろう…当たり前の生活がこんなにも清々しいなんて思っても見なかった。


 数分後桜さんがリビングに下りてきた。


 「おはよー優くん、それじゃあ食べようか!」


 これが…平和か。


 「桜さん。」

 
 「うん?」


 「ありがとうございます。」

  
 「ありがとうって言われることしたかなぁ?」


 「いぇ、何でもないですよ、いただきます。」

     ・・・

 食事を終え、先に学園に向かった桜さん。俺も食器を洗い終え、学園の準備をする。


 「さて、新学期だし転校生とか来んのかな?」


 高校生らしい台詞を言いながら俺は、学園に向かった。
    ・・・