「捨て子だろうな」

「可哀想・・・」

「とりあえず、軽く診るか?」

「うん」

家にある道具だけで、診てみたけどどこも異常は無し。

一通だけ、手紙が入っていた。

「優太と言います お金に苦しくて、育ててあげられません どうか代わりに幸せにしてやってください」

と、書かれている。

「どうする?」

「とりあえず、養護施設に引き取ってもらおう」

「うん」

病院に行く前に、一番近くの養護施設に赤ちゃんを引き取って貰った。

病院に来て仕事をしていても、何をしていても思い出すのは優太君の事ばかり。

泣いてないかな?

お昼ごはんは食べたかな?

元気かな?

気になって気になってしまって、帰りに一人で様子を見に行った。

ずっと抱っこして、ミルクをあげたりしているといつの間にか一時間近く経っていた。

「もう帰ります 優太君をお願いします」

「はい」

帰ってきて、拓斗が今日は遅いから一人。

やっぱり浮かぶのは、優太君の笑った顔。