「…という訳でここに。」
「白南はオーラがお嬢様っぽいけどなんか心が汚れてなくて、好きなんだ。」


結城ちゃんは笑顔でそう言ってくれた。


「…へぇ。いいな。」


理雄君も微笑みかけてくれた。

…―どきっと胸が跳ねた気がした。


「……あ!もう教室に戻らなきゃ!」
「あ、…うん…?」
「どうかしたの?」


心配そうに結城ちゃんは聞いてくれたけど私はそれがなんなのかよくわからなかったから

「なんでもっ。じゃ、ばいばい。」

と笑顔で手を振り席についた。



キーンコーンカーンコーン…とチャイムがなると騒がしかった教室も少し静まり、ガラッとドアが開いた。

「俺が今日から担任をする松田 仁(まつだ じん)だ。よろしく!」

すると皆は口々に「松ちゃんかよー!」「クラス持てんの?」と馬鹿にした言葉が飛び交った。

松田先生はそれに怒らず

「ばぁか!俺だって伊達に教師やってねぇよ。HR始めるぞ。」と笑いながら言った。



松田先生は皆から慕われていて、外見は黒髪を耳が隠れるくらい伸ばして少しパーマがかかった髪。そしてほんの少し緩めたネクタイにブラックスーツ。

ホストのような雰囲気。女子からはモテモテ。


こんな人がなぜ教師をしているのかはわからないけど
なぜクビにならないのかはものすごい噂になったと聞いた。

私はうといほうだから何にもわからないけど。



「じゃ、HR終わり。新学期頑張れよ!」