咲夜さんは真里菜のことを知っているんだろうか?
言っていい事なんだろうか?
口を閉ざした私を見て咲夜さんが言った
「何を言いたくないのかは知らんが、1人は優香だったんだろ?」
静かに頷いた
「で、写真を撮られたのかもしれないと?」
「はい・・・」
「疾風の来た方向から考えて零の顔は写ってると思うか?」
疾風の来た方向は慧さんの後ろから・・・
ということは、頭や体は写っても顔は写ってる可能性は低いかな
「写ってないと思います」
正直に答えると咲夜さんは零に似た顔でニッコリ笑った
「なら大丈夫だ。零も今なら慧という支えが居るから大丈夫だろう。ちょっと待ってろ」
そう言って奥に消えた咲夜さんは透明の箱を持って戻ってきた
コトリッ
机の上にそっと置かれた箱を見ると中には色、形さまざまのネックレスが3個入っていた
キレー・・・
「このネックレスにはGPSが付いている」
ウットリと見つめていた私はその言葉で現実に引き戻された
「は・・・?」
口を開けてぽかんとする私に咲夜さんは淡々と言った
「近々厄介ごとが起こるかもしれない、それに巻き込まれたとき用にこれを肌身離さず着けておいてくれ」
「はぁ・・・」
真剣な顔で言った咲夜さんに疑問を抱きながらも受け取った
「これは零のだ明日学校で渡してくれ。今日はもう遅いから帰れ車を用意する」
「わかりました、ありがとうございます・・・」
車を呼びに行った咲夜さんを見送って
私は自分の首にかかっているネックレスを見つめた
おそらく私専用に作られた十字のネックレス
キラキラと光に反射しているこのネックレスが
やくに立つのはまだまだ先の話・・・

