「作り笑いすんじゃねぇ・・・泣きたいなら泣け」
少し顔をしかめながらそう言って引き寄せた
「泣きたくなんか・・・」
「わかったから」
ポンポンと頭を叩きながら言う
「うぅ・・・優香が・・・」
少しして肩が震えだした零
「ん?」
「優香が裏切ってたなんて!」
優香って言うと・・・零の親友だったはず
そいつが裏切った?
だから零がこんなになった?
俺はいつの間にか止めてしまっていた手をポンポンと動かして言った
「話し聞いてやるから思い切り泣け」
「うぅ・・・うわぁーーん」
溜め込んでいたものを吐き出すかのように、取り乱して泣く零を辛い気持ちで見つめた
零と知り合って1ヶ月といったところだろうか?
焦っているところや困っているところは見たことがあったが
いつもどこか壁を感じていた
「千鶴は知らなくていい・・・ヒック」
友達思いで
辛いことや悲しいことがあっても顔をしかめたりするだけで
本気で怒ったり泣いたり
誰かに相談をしているところを見たことがなかった。
いやなことがあっても我慢するような零をここまで壊すなんて
優香って親友は零にとってどんな存在なんだ
「スゥ・・・スゥ・・・」
「ん?」
気が付くと零は眠っていたみたいだ
ズルッ
「おっと!」

