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「ハァハァ・・・やっと着いた」

ガチャ

「ただいまぁ・・・おかあさーん」

私は玄関でお母さんを呼んだ

しばらくするとパタパタと可愛らしい足音が聞こえてきた

「はぁい、零どうかしたの?」

龍ヶ崎雅(りゅうがさき みやび)

龍ヶ崎系列のお店をたくさん経営している

はぁいなんて可愛い喋り方の私のお母さんは

40代とは思えない容姿をしている

「あのね、この子雨の中でずぶ濡れだったから連れてきたんだけど・・・どうしよう」

「あらあら・・・零は優しいわねぇ」

「優しいはねぇじゃなくてね?」

「ふふふ、わかってるわよ・・・えっと」

そう言いながら私が背負ってる子のポケットを

ゴソゴソとあさっている

私より背の高い天然な私のお母さん

「何してるの?」

「・・・んー?あった!」

探していたものが見つかって嬉しそう

そのお母さんの手には財布・・・

なるほど・・・

「はい!これもってお父さんのとこ行ってきてね?あと早くお風呂に入らないと風邪ひくわよ。」

やっぱりね・・・

財布を受け取って

黒い女の人をお母さんに渡して

お父さんの書斎に向かった