それに気づいたのかさらに怯え始める黒い女の人

何をこんなに怯えているんだろう?

その時黒い女の人の袖から赤黒い痣が見えた

暑くなりだして皆半袖を着ているこの時期に長袖を着ている黒い女の人・・・

きっと誰かと何かあったんだ

それで人間不信か何かなんだろう

と思った私は安心させるように目を合わせて

なるべく優しく微笑んだ

「大丈夫ですよ。俺は何もしません」

そう言うと安心したのか少し落ち着いたみたいだ

と同時に倒れこんできた

「わっ!」

慌てて受け止めて見ると気を失っていた

・・・仕方ない、家に連れて行こう

さっきより強くなった雨の中

背中に自分より背の高い女の人(・・・って言っても同い年くらい)を背負って

ゆっくり歩いて帰った。

しばらく歩くと家の門が見えてきた

やっと見えてきた・・・

ラ、ラストスパート・・・