バシャバシャ・・・

雨の中を走って家に向かっていた

行きと同じ道を通って帰っていると黒い人が居た電柱が見えてきた

もう居ないよね?

そう思って通り過ぎようとしたとき

視界の端に写った黒いもの

まさかね・・・

と思いつつも見てみるとずぶ濡れの黒い人が居た

どうしよ・・・このままほっとく訳にいかないよね

よし!声をかけてみよう!

意を決して黒い人に近づいた

「あの・・・大丈夫ですか?」

黒い人はゆっくりと顔を上げた

黒い人は綺麗な銀色の瞳をしていた

でもその瞳は虚ろで、感情が抜けてしまったのかと思うくらい生気がなかった

しばらく見詰め合っているとやっと私を認識できたのか

銀色の瞳に怯えと驚きが見えた

「あの・・・?」

え?

と思って声をかけると

「い、いやこないで」

黒い人・・・黒い女の人は立ち上がって後ずさりしようとした・・・

が、後ろは壁