「ねえ、鮫」 ただひたすらに沈黙を守る鮫の背中を叩く。呼吸は整い、涙はすっかり乾いた。鮫は動かない。 「死にたかった訳じゃないんだよ」 「……知ってる」 「金魚はさ、見殺しにされたんだよ。わたしが動けば、今も生きてたの」 ――あんなに苦しい思いもしないでよかったの。 感傷的な感情移入。魚には痛覚が無いと聞く。本当かどうかは、魚に聞かないとわからないけれど。