ぷかりと水面に横たわる金魚の白い腹。酸欠とはどのような気分だろうか。息を止めても、豊潤な空気に満たされた陸地では味わえない。 「鮫、わたしの首、絞めてみてよ」 いきなり何を、とも馬鹿馬鹿しいとも言わず、鮫はわたしの首に手を伸ばす。 3、2、1。 「かはっ……!」 ざらつく手のひらが、容赦なく気道を圧迫する。さっきまでひまわりを持っていた手が、わたしを締める、締める。 視界が明滅して星が飛ぶ。金魚も、同じ世界を見たのだろうか。水の中に星が飛ぶ光景を。金魚に走馬灯は走るのだろうか。