「それで、どうしてあんなことしたんだ」 落ち着きを取り戻していつもの無表情になった鮫が潮風で痛んだ髪を撫でながら言った。ひどく痛んだ髪が引っかかる。滑らかな髪だったらよかったのだろうか。くすぐったくて身をよじれば、また皮膚と鮫肌がこすれる。赤い痕はいくつできてしまっているのか。 「人魚姫」 「ん」 「人魚姫にね、なりたかったのかもしれない」