「えぇー……さすがに凹みますって」
眉の端を下げながら耳を手で塞ぐ。
「ちゃんと聞きなさいよ!大体ねぇ…」
そう言って遥は蒼介の手首を引っ張り、尚も話を続けようとする。
「ちょ………マジ絡むのは………
勘弁して下さいよ………って、あ!!あぁ、そうだ!!」
手首を引きはがしながら、何とか話を終わらせようと声をあげる蒼介。
「……な、何よ?いきなり」
蒼介の素っ頓狂な声に驚き、冷静さを取り戻した。手を離し、怪訝そうな表情でこちらを見てくる。
「…えっと、あの……柊さん!
………柊さんの事なんですけど…」
「なに!なになに!夏帆ちゃんの事?!」
蒼介の口から夏帆の名前が出た途端、遥の目がキラキラと輝き出した。
