「ここに泊まりなよ。
俺、もう少し飲んだら、誠連れてタクシーで帰るから」




「そうよ!夏帆ちゃんも泊まっていきなさい!
……ちなみに私は朝まで蒼介君と飲み明かすから、私のベッド使っていいわよ!」



「えっ……………」



「いや、遥さんそれはちょっと……さすがに…」



夏帆が躊躇うのは言うまでもない。
恐らく蒼介と誠さえいなければ、終電を逃した時点で泊まる事を決めていたに違いない。
………むしろ、女3人で飲むと思っていた夏帆は最初から泊まる事を期待して、タクシー代自体、持ち合わせていなかったのだ。



言葉を切った夏帆は『うーん』と唸り声をあげながら考え込み始めた。
その姿を見た蒼介は更に居心地が悪くなってしまった。


「遥さん……やっぱ俺、帰りま…」



「じゃあ………………」



蒼介の言葉はか細い声に遮られた。




「…………私も朝までお付き合いします」