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「いらっしゃーい!!」




インターホンを鳴らすと、待ち構えていたかのように、ドアが勢いよく開けられる。


遥は既に部屋着に着替え、おまけにすっぴんの状態で4人を招き入れた。



それぞれ『お邪魔します』と言いながら廊下をぞろぞろと通り抜け、リビングに足を踏み入れると……部屋の片面を占める大きな窓に目を奪われた。



「すごーい!!
この部屋、夜景ハンパなくキレイじゃないですか!?」



興奮して綾が窓へ駆け寄ると、誠もそれに続いた。



「おぉー!!
高台に建ってるから5階でも眺めは十分だなー」



「でしょー?
これが気に入っちゃったせいで、引っ越し魔の私が3年もここに住んじゃってるわけよ」




遥が自慢げに腕を組みながら綾と誠の隣に歩み寄ると夜景を話題に3人で盛り上がり始めた。




蒼介と夏帆はドアに近い離れた場所からその様子を見ている。




「…………はしゃがないの?柊さんは」



「え…………。
………………………別に。」



―別に………
別に……って




ちらりと横目で夏帆の顔を伺うと、眉間にシワを寄せながら『話しかけるな』と言わんばかりの刺々しいオーラを発している。




「ふっ…………はは!」




「な…………っ!」




またもや、突然吹き出した蒼介に、夏帆の口元がぴくぴくと震え出す。
そんな怒り心頭の夏帆を見て、蒼介は更に声を上げて笑い出した。