「なんだよ、それ……ってか、なんで蒼介までそんな事…」
あからさまにうなだれる誠。
「いや…………ゴメン。なんとなく、お前には似合わない気が………」
「フォローになってねぇし」
「ふふふっ!さすが蒼介君!
………するどい!」
口に手を当てたまま考え込む蒼介を余所に…
遥は『まぁ、そのうち分かるわよ』とだけ言って、この話題を断ち切った。
そして不適な笑顔でスケジュール帳を指差した。
「それよりさ……平日なんだけど、来週のこの日、空いてる?」
蒼介と誠がその指先に視線を送ると…
―来週の木曜日…
「不運にも………俺は休みですね。」
「何よそれ。ケンカ売ってんの?」
「俺、平日は休み取りにくいんだよねぇ……」
「じゃあ、誠はダメね。」
「って、おい!引き止めろよ!」
遥の不適な笑みが更に怪しさを増す。
「誠は…………来なきゃ後悔するわよ?」
「何を…………企んでるですか……
俺、やっぱ出勤にします」
さすがの蒼介も不安になる。
「蒼介くんは絶対参加よ。
来なかったら家でも会社でも探しに行くし」
――……ホントに来そうだな、この人……
「じゃあ………水曜の夜に私のマンション前に集合って事で。」
「え?なんで水曜の夜?木曜じゃねぇの?」
「違うわよ。次の日が休みじゃないとキツいから。」
「「………誰が?」」
「私が。」