『頼むよー… 今日の相手はマジでレベル高いんだって』



『お前、前も同じ事言って…』



『とにかく!!
今日は来たほうがいい!
朝の占いで運命の出会いがあるって言っ…』


『もう切るぞ。俺は忙しいんだよ。』


一服するのを諦め、腰を上げると喫煙室のドアが開いた。
ゆっくりと顔を覗かせたのは同期の春日部 美奈子。
ブランドもののタバコケース片手に蒼介に優しく微笑んだ。



『あ!!待てって!頼むよ……あ、そうだ!お前が欲しがってた、限定スニーカー…』


『え……?…うん。』



『うん……?
え?聞いてる?』



『聞いてるよ』



蒼介は優しく微笑みながら美奈子に軽く片手を挙げる。



『あれ、弟がネットオークションで落札したって自慢してたんだよ!今日来てくれたら、譲ってくれるように交渉してやってもいいぞ!』



『ホント?いいの?』



『お、おう…?
ただし、今日来てくれたらの話だぞ…?』


『分かってる。……しょうがないなぁ』



『は……?あれ?来てくれんの?』


『うん。行くよ。久しぶりだし楽しみだな。」



『え………?
何なのさっきまでとのこの温度差。
あ…………








お前……隣に女いるだろ。』





『うん。』