横目で夏帆の顔色を伺いながら遥は小さく頷く。
「……あはは。気にしないで下さいよ。アタシなんとも思ってませんから」
「そう……?
ってか………眉間にすごいシワ寄ってるけど」
「あ……」
夏帆は慌てて眉間に指をあてる。
「昨日…すみませんでした、ずっとあんな態度とっちゃって。
アタシ、ああいう場が苦手で…」
そう言いつつも、再び眉間にシワが寄ってしまう夏帆を見て、遥はフッと優しく微笑んだ。
「分かりやすいなー。
夏帆ちゃんのそういうとこ、私好きよ。
……眉間のシワは気をつけたほうがいいと思うけど」
「はい……ダメですね。
嫌だと思うとすぐ顔に出ちゃう…。」
「やっぱ嫌なんじゃん…」
眉間をさすりながらうなだれる夏帆に遥は苦笑いする。
――ピンポン
エレベーターに乗り込むと、夏帆は2階と3階のボタンを押した。
「……ねぇ…
唐突だけど……」
「………?」
突然真面目な顔で夏帆を見つめる遥。
「……蒼介君の事どう思った?」
