俺は安西が泣き出した事で我に返った。 「安西、おまえはあんなやり方でしか好きな奴を振り向かせられないのか?」 俺の言葉に安西は俺を見上げた。 「素直に自分の気持ちをぶつければ、振り向く男は必ずいるはずだから」 俺はそう言うと安西の頭をポンと叩き、中庭を出た。