私はうっすら目を開けて現実へと引き戻される。
カーテンの隙間から光りが漏れていた。
朝か…
私は体を起こす。
ふと自分の手首を見た。
ハッキリと残った傷痕。
昨日私は冬矢くんに傷を見られた。
一番見られたくない人に…。
いつも絆創膏を貼ったりリストバンドを着けて隠していた。
夕飯の支度をする時だけ外していた。
冬矢くんに見られ、腕を掴まれた時…
私は、あの時の事を思い出してしまった。
男が恐い
恐い…
冬矢くんはあいつらと違うってわかってる。
でも腕を掴まれた力の強さとか
どうしてもあの時の事を思い出させる。
私は…もう二度と忘れる事はできないの…?
