−璃子 18才 春−





今日は卒業式。



私は式が終わり、中庭で待ち合わせをしていた。



「璃子ーッ」



卒業証書を持った手を振る夏季が走ってきた。



「夏季っ」




「卒業おめでとーッ」


「お互いね〜」


私達は笑い合った。





私は冬矢と夏季に出会ったこの高校を、今日卒業する−…






一年生の時はずっと孤独だった。誰も私に声を掛けようとしないし、私も誰にも声を掛けようとはしなかった。


二年生になって、夏季と同じクラスになった。いつも私に声を掛けてくれる夏季に私は心を開いていた。そして…初めて屋上で冬矢に出会った。






私は夏季と高校生活を振り返った。




「夏季がいたから…今の私がいる」


「えー?それお兄ちゃんの事でしょ?」



笑う夏季に私は夏季の腕に抱き着いた。



「夏季がいたから、冬矢に出会えたんだもんっ」



「私オマケみたいじゃーん」