消して消されて

「目の腫れ早く引かないかな…」

唯は鏡の前で格闘していた。

昨夜泣きすぎて目が腫れぼったい。

保冷剤にタオルを巻いて目を冷やしている。

昨日は何も考えずにただ涙を流し続け、気づけば眠っていた。

しかし睡眠を取ると脳内が冷静になり、いつもの唯に戻っていた。

これからどうしていこうか。

今何をすることが最善なのか…。

今日は休日なので、1日中フリーだ。

明後日から唯もテストが始まる。

本当はテスト勉強をしなければならない。

そのことは十分に分かっているのだが、今の状態で捗るわけがない。

「会いに行こうかな…」

メールで待っていると送ったばかりなのに、気づけば外出の準備をしていた。

状況は変化しているのだ。

今会いに行けば瞳を動揺させるかもしれない。

しかしこのままでは自分もダメになる。