消して消されて

「これって私のせいだよね…」

「それは違うよ!!」

夏希は必死に唯に語り掛けた。

しかし唯は自分を責めた。

まさか自殺を図るなんて思わなかった。

そこまで精神状態が不安定になってしまっていたなんて。

もっと傷つけない言葉があったのでなないだろうか。

「命に別状はないから安心して」

死ななかったのはせめてもの救いだった。

唯の目から涙が零れ落ちた。

こんなにも泣くのは何年ぶりだろう。

唯は電話を切ると子どものように泣き出した。