消して消されて

「洗濯物置いておくわよ」

唯が寝転がっているベッドの足元に洗濯物を積んだ。

「何か悩みごと?」

さすがは母親。

子どもの変化は見逃さなかった。

「んー…何か友達と気まずい感じになっちゃって。仲直りしたいんだけど、何て言えばいいのか分からなくて」

眉を下げて心情を吐露する唯に向かって美咲は微笑んだ。





「そんなの簡単よ。思ったことをそのまま伝えればいいの。それでムリだったら初めからどうやってもムリだわ」





唯は手に握られた携帯を見つめた。

「本当に大切なら諦めちゃダメよ」

瞳の顔が唯の脳裏に浮かんだ。