消して消されて

衝撃的な夜だった。

唯は完全な寝不足に陥り、目の下にクマができていた。

まさかずっと友達だと思ってきた瞳に告白されるとは夢にも思わなかった。

「はぁ…」

唯の口からは溜め息しか出てこない。

「溜め息吐いたら幸せ逃げるよ」

愛が唯の頬をつついた。

「勉強しすぎなんじゃない?」

唯は首を横に振った。

勉強なんて全然できていない。

昨日も帰宅してから当たり前だが集中できず、瞳のことで頭がいっぱいだった。

誰に相談したらいいのか分からない。

夏希はもしかしたら知っていたのかもしれない。

だからあんな意味深なことを言っていたのかも。

「私で良かったら話聞くよ?」

愛の申し出に感謝しつつ、唯は大丈夫と笑顔を見せた。