消して消されて

しかし唯の答えは決まっていた。

「ありがとう。瞳の気持ちは嬉しいよ。でも・・・樹と別れることはできない。瞳が私を好きになってくれたのと同じで私は樹が好きなの」

真正面からぶつからなければならない。

そう思った唯は自分の気持ちを素直に話した。

「どうしてもダメ・・・?」

瞳が縋るような目で見つめる。

「うん。ごめんね」

唯の腕を掴んでいた瞳はそっと離して唯と距離を取った。

「そっか。仕方ないよね。もう友達でもいられないね」

瞳は唯の横を通り過ぎた。





「ばいばい」





小さく囁かれた言葉は唯の胸を突きぬけた。

「瞳!」

唯が振り返ると瞳は走って公園を出て行った。




友情が崩壊した一夜だった。