理香が次に目が覚めたときには誰も周りにいなかった。

腕時計を見て意識が飛んでいたのは10分程度であったことが分かった。

理香は体を起こした。

痛む腹部を庇いながら立ち上がると5メートルほど先に何か光っている物が落ちている。

理香は近づいてそれを拾い上げた。

「これって・・・」

それは理香のナイフだった。

なぜ落ちているのだろう。

千里は一体どこに行ったのだろう。

理香は唯が心配だった。

ナイフを仕舞い、唯と千里を探した。

校内隈なく探してみたが、2人も見つからない。

日が完全に落ちるまで探したが、結局発見できず理香は家へ帰るしかなかった。

意識が飛ぶ前に千里が消えたように見えた。

理香はぶんぶんと頭を振った。

人が消えるなんてあり得ない。

唯の安否が心配だったが、メアドを知らないので連絡が取れない。

理香は明日全てを確かめることにした。