消して消されて

なんとかして止めなければならない。

「それにあの写真は絶対に誰にも見られたくない」

理香は膝の上で手を固く結んだ。

「分かった。明日私が話をしてみるよ」





とりあえず理香を駅まで送った。

理香と別れて帰っている最中、唯はどうすれば解決できるのか必死で考えた。

しかし千里の理香に対する恨みは尋常じゃない。

どうしたらいいのだろうか。

それにまだ完全に千里がクロだと唯には思えなかった。

昨日の弱々しい姿が脳裏を過ぎる。

しかし理香が嘘を言っているようにも思えない。

何より証拠がある。

「人間不信になりそう」

唯は溜息をついて玄関の扉を開けた。