V系メンズに恋してる

麗はノロノロとリビングに移動してインターホンのボタンを押す。


モニターには男の人が映っている。私からはどんな人かまでは見えなかった。


『ただ今、留守にしています〜』


麗はやる気のない声で話す。


『何だいるんじゃん。飯食ってないし入れてよ』


男の人の声はスピーカーで私の方にもハッキリ聞こえる。


『やだ。来客中だし』


『え〜!いいじゃん!このまま帰るとかマジ無理だから』


かなりの駄々っ子らしい。私は笑ってしまった。


『梓、少しうるさい奴来るけど平気?』


『うん。私は気にしないよ。逆に私がいてもいいの?』


『梓はいていいの!おい、啓太、客人に感謝しろよ。入っていいってよ』