V系メンズに恋してる

『……して』


私は振り絞って声を出した。


『聞こえない』


『鍵…返して』


麗はため息をついた。


『答えになってないし。本気で怒らせたいの?マジで鍵返さないよ?』


私は勇気を振り絞った。
もう泣いてもいいや。


『…昨日、リビングにいた時、伏せてあるフォトスタンド見ちゃった。勝手に見ちゃってごめんね』


『…で?』


麗は声色1つ変えなかった。


『AYAと付き合ってるんでしょう?私とは…遊びで…男慣れ…してない私を…か、からかおうと…』


私の瞳から大粒の涙が溢れ頬を伝う。