げーむ

「よく眠ってたね。...ま、しょうがないか」


綾瀬は優しく微笑んで、私にマグカップを手渡してくれた。


マグカップを受け取り、匂いをかぐと、懐かしいコーヒーの匂いがした。


「これは?」


「あぁ、これ?生徒会には、コーヒーが好きな人がいるんじゃない?フルセット装備してあったから」


自分のマグカップにコーヒーを注ぎいれながら、綾瀬が答える。


「びっくりしたよ。美崎、死んだみたいに眠ってたから」


「...」



私が返答しないのを見て、綾瀬はそれ以上言葉を続けるのを止めたようだ。


私は手元のコーヒーを一口飲んだ。


眠気が一気に覚めるように、コーヒーが全身に染み渡る。


「はぁ...。暖かい」


「そりゃ、さっきついだからねー」


綾瀬が肩をすくめる。


「それとも、私の注ぎ方が上手いからかな?」


「...うん、そうかもね」


「え」


綾瀬がポカンとしている。


「美崎...大丈夫?」