げーむ

暫くは壁にかかっている写真を眺めていた。


しかし、それに飽きてしまったので、私は近くにあった椅子に腰掛けた。


ドラマによくあるような社長イスだったが、その椅子の上で体育座りをした。


最初は真っ白だったのだが、今はもう真っ赤な傘を胸に抱えて。


「...」


この部屋には鍵がかかっている。


つまり、私はこの部屋から出れない。


しかし、それを逆手にとれば、ここは唯一の安全な場所ではないか。


『次は...いつ休息がとれるかも分かんないしね...』


私はそう思って、少し寝ることにした。


『昨日、早く寝るんだったなぁ...』


昨日早く寝なかったせいで今日の朝もウトウトしてしまったのに、今まで精神的にピリピリしていたから、私はすぐに眠りについてしまった。