げーむ

菜月の遺体は、先生によってどこかへ運ばれてしまった。


「さぁ、案内します」


先生は私に手招きをする。


私はギュっと拳を握り、一歩を踏み出した。


...今回の待機場所は、生徒会室だった。


壁に全校生徒でとった写真が飾られていた。


私が部屋に入り、その写真を眺めているのを見届けると、先生は扉を閉め、鍵をかけた。


「鍵なんか...かけなくったって、逃げたりしないのに」


嘘だ。


本当は今すぐ逃げ出したい。


この殺戮から逃れたい。


でも、そんな事は出来ない。


なぜなら...。


「みんな...」


敗れていった皆の為。


もし、私がここで逃げれば、光希はどうなるだろう。


菜月の遺体はどうなるだろう。


私は耐えなければならないのだ。


全ては...皆の為に...。