げーむ

菜月は目を閉じていた。


でも、何故か口元は微笑んでるように見えた。


私は菜月の身体を横にして、胸の位置で手を組ませた。


ほどいた髪が乱雑になっていたので、手ぐしで何とか整えた。


すると、菜月が眼鏡を机の上に置いていた事を思い出して、立ち上がった。


いや、立ち上がろうとして立てなかった。


身体中が全力疾走した後みたいに、ボロボロだった。


特に痛かったのは、左の脇腹で、手で触ってみると腫れているのが分かった。


こんな所打っただろうか。


手で擦りながら自問していると、ある疑問が浮かんできた。