げーむ

調度、私の傘が何とか当たる位の位置になって、委員長は止まった。


「武器がないからと言って手加減するなよ?」


「もちろん。最初からそのつもりだったし」


ちょっと前田さんみたいな口調になってしまった。


同じ事を委員長も感じたらしく、「藍くんみたいだな」と笑った。


委員長の笑いが止まったのと同時に、委員長が消えた。


正確に言うと消えたのではなく、見えない位、早く動いたのだ。


そして、その早さで私に向かって拳を喰らわせてきた。


最初の一撃だったので、ある程度、委員長も手加減していたらしく、クリーンヒットはしなかったものの、私の顎辺りに命中してしまった。


「いった...」


「わ、悪い。素人相手だと力の加減が分からなくて...」


「い、良いよ...。これは真剣勝負なんだから」


とは言ったものの、激痛が酷く、これを顔面に喰らうと骨位折れてしまうんではないかと思った。


「あぁ...そうだったな。真剣勝負だったな。...手加減無用なのだな!」


委員長がやけに生き生きとして見える。


もしかしたら私は墓穴を掘ってしまったのかも知れない。


「素人だからといって手を抜くのは相手に失礼だな!百合くん、申し訳ない事をした」


出来ればそのまま手を抜いてて下さいと言いたかったが、もう後戻りは出来なかった。