げーむ

「すまない。変に回りくどい言い方は性に合わないんでね」


「うん、知ってる」


私がそう言うと、委員長は笑った。


そして、自分のメガネをとった。


「百合くん。私の...特技を知っているか?」


そのメガネを近くに放置されている机の上に置きながら、委員長が問いてくる。


知らないと答えると、少し寂しそうな顔をした。


「では、お初にお目にかけよう」


すると、委員長はフーと息を吐いて、重心を腰に落とした。


...ようするに、武道的な構えだ。


「委員長、空手とかやってたの?」


「空手、合気道、柔道...。護身術は一通りな」


そこまでやったらもう護身術ではないのでは?と思っていたら、いきなり一喝された。


思わず退くと、委員長が苦笑した。


「百合くん、試合はもう始まっていると言ってもいいのではないか?」


「...」


委員長は本当に本気なんだ。


私は委員長の目を見て確信した。


委員長の目はいつもより細く絞られていて、何も写していなかった。


「来なさい」


「...わかった」


傘を構える。