げーむ

私が両手に茶碗を持って戻った時、佐藤くんの周りに皆が集まっていた。


「あ、水下さい」


梅くんが手を差し出す。


「はい」


私から水を受け取ると、梅くんは残っていたゴールテープを水に浸して、佐藤くんの顔を拭いた。


「皆、悪いな。俺がトチッただけなのにさ...」


佐藤くんが、小さな声で言う。


「気にするな。私達はクラスメイト、仲間なのだからな!」


委員長が胸を張って答える。


「そうよ、信二くん。菜月ちゃんがこうやって委員長面して責任被ってくれるから」


前田さんが笑顔で毒を吐く。


そうして、皆が笑う。


これはきっと、つかの間の休息。


いつかこの時間も終わり、皆が殺しあう羽目になってしまう。


それでも...。


この限られた時間の中で、私達は確かに仲間だったと。


友達だったと、思って良いのだろうか。