げーむ

流し台には、古そうな茶碗がいくつも積まれていた。


『梅くんって茶道部だったんだ...』


そんな事を考えながら、一番大きい茶碗に水を入れる。


「?百合くん、何をしてるんだ?」


私に気づいた委員長が声をかけてくる。


「あ、佐藤くんの傷の手当用に水を汲んでるの」


「信二くんの傷?重症なのか?」


委員長が流し台に入ってくる。


「うん...。目が見えないらしい」


「そんな大事なこと...なぜ私に言わなんだ!」


委員長としての責任がどーだこーだ言ってる内に、私は茶碗の2つ目を手にとる。


「今そんな事いってても駄目だよ。手当てが最優先、ね?」


私がグッと委員長に茶碗を差し出す。


「...」


無言で茶碗を受け取り、委員長は私に背を向けた。