げーむ

「体育祭で使ったゴールテープです。茶道部と体育祭担当の先生は同じなんです。でも、これは、倉庫に入りきらなかったので、とりあえずここに置いているんです」


「へェー。よく知ってるね」


「茶道部ですから」


梅くんが箱を開けて、ゴールテープを取り出した。


「あ、でも衛生上大丈夫なのかな...」


綾瀬が思い出したように呟くと、梅くんが振り向かずに答えた。


「それは大丈夫です。体育祭の後、ちゃんとクリーニングに出しましたから」


「ゴールテープをクリーニング...」


「僕、潔癖症なんです」


梅くんって意外と面白い人だなと思っているうちに、梅くんはゴールテープを佐藤くんの患部にまき始めた。


「痛かったら言って下さい」


「...っ」


梅くんの手際の良さに圧倒されていた私に、梅くんが声をかける。


「美崎さん。そこの角に流し台があるので、水を汲んできてもらえませんか?」


「あ、水?分かった」


私はバタバタと、流し台に向かった。