包丁が刺さっている3年生は最初上を見上げようとしていた様だった。


そして天井に吊るされた包丁に気づく前に包丁の餌食になってしまったのだろう。


「...うっ...あぁぁあぁぁ...。」


自分の体に刺さっている包丁を見つけ、体中の痛みに気づいたのか、体育館は刺された3年生達の声でいっぱいになった。


「...。」


「...。」


私と綾瀬は最初意味が分からず、その場に固まっていたが、恐怖に耐えかねた1年生が勢いよく体育館から出ていく音で我に帰り、何とか体育館を脱出した。