げーむ

「...ここで待機していて下さい」


そう言われて顔を上げると、そこは作法室だった。


先生は、私を中に入るように促して、自分はもと来た道を帰っていった。


中から人の話し声がする。


『ここに...綾瀬も?』


そう思って扉に手をかけた。


ガラ


「...?誰?」


懐かしい声。


「あ...綾瀬...」


「!!!」


襖の陰から声の主が姿を現す。


「美崎!!大丈夫?怪我したの?」


「あー...。ウチ、じゃなくて...」


「あ...。ごめん」


私の相手は光希だったという事を思い出したのか、綾瀬が黙る。


沈黙を破ったのは、私でも綾瀬でもなかった。


「百合くんが来たという事は...光希くんは負けたのか?」


唐突に話しかけてきたのは、学級委員長の瀬戸菜月だった。


「...うん」


小さい声で呟くと、委員長は何やらノートに書き込んでいる。