げーむ

先ほど脳裏に浮かんだ映像と同じ事をしている。


そう気づいたのは、光希に馬乗りになって傘を振り下ろそうとしていた時だった。


「...んだよ。やんねぇのかよ」


光希が顔をしかめている。


「さっきから何回寸止めされんだよ...」


「悪ぃ...」


「あ?」


「ウチ、勝ちたいんだ」


「...ん」


ごめん。


光希には聞こえないが、心の中で謝罪をする。


そして、振り下ろす。


「かはっ...」


光希が呻く。


あぁ、傘で叩かれるのってどんなに痛いんだろう。


「つっ...」


あぁ、逃げたいのに逃げられないって、どんなに苦しいんだろう。


「あぁああぁあ....ああああぁあああぁぁぁ!!」


私はまた泣いていた。


でも、ティッシュをくれる優しい手は、もうない。