げーむ

「その口調...。やっと本気になってくれた?」


「...はぁ?」


「百合、気づいてないかもしれないけどさ。百合が喧嘩してて本気になった時とかさ、男口調になんだよ」


「...んだよ、それ」


「ほーらな?」


光希は私の事をよく知っている。


そんな事、私は今の今まで知らなかった。


「だからか...」


「ん?」


「ウチと喧嘩した奴は、みんなウチの事を嫌いになんだよ。喧嘩するほど仲が良いって言うのにな」


私は笑った。


自虐的だ。笑ってほしい。


でも、光希は笑わなかった。


「俺は、今も百合と喧嘩?みたいなもんしてるだろ?それでも、俺はお前の事、嫌いじゃねぇよ」


「...綺麗ごと、だなッ」


私は言い終わるのと、同時に走り出す。


今度は光希は走らなかった。


ただ笑って、木刀を構え直した。


「俺は百合が本気になってくれて嬉しいよ。今まで、百合に本気になられた事無かっただろ?」


「...ッ」


ガッ


木刀と傘が犇めき合う。