「誰の血なの?」


私はもう1度聞いた。


「私の...試合相手の...」


綾瀬がゆっくりと答えた。


思わずため息をついた。


慌てたように綾瀬が説明を始める。


「あのねっ、わ、私はね。殺してないんだよ?ただちょっとだけ...切れちゃったっていうか...」


「相手は死んでないの?」


「うん」


今度は安堵のため息が出る。


今回は綾瀬も人を殺めずにすんだようだ。


「美崎...。怒ってない?」


心配そうな顔が目の前にある。


頑張って精一杯の笑顔をつくる。


「怒ってないよ。...良かった」


ほっとした綾瀬が私の隣に腰掛けた時、また扉が開いて、先生が入ってきた。


「これから、クラスの代表。つまり、次に進める者を3人選抜します」