そして、現在に至る。


「私には美崎しかいないの...」


いつの間にか綾瀬は泣いていた。


「あいつが、宮代が...バット取ったの見て...美崎が危ないって思ったら...身体がもう、動いてて...」


綾瀬は血のついた鎌を床に叩き落とした。


キンッ


金属特有の高い音が木霊する。


「ごめん、ね。美崎...」


綾瀬は一層激しく鳴き始める。


その時、先生の冷たい声が響いた。


「勝者、美崎百合」


トーナメント表からまた1つ、名前が消えた。