げーむ

宮代は攻撃する手を止めようとしない。


むしろ、力が強くなっている気がする。


バットが私にむかって来る度、傘で跳ね返していたが、私ももう限界だった。


横から来た1打を精一杯跳ね返す。


その反動で宮代の体が揺らぐ。


『今しかない!!』


宮代が体制を整える前に、体当たりをする。


思ったとおりに、宮代は教室の床に倒れた。


「宮代!!もう終わったんだよ!?もう戦わなくていいんだよ!!」


バットを何とか手から奪い取る。


それから、宮代の襟元を掴み必死に訴えた。


「...」


ようやく宮代が抵抗するのを止めた。


ホッとして私は先生の方を向いた。


「先生。これで...」


「美崎!!!?」


綾瀬の焦ったような、怒っているような声が飛んできて、何かドサッと物音がした。


振り向くと、宮代が倒れている。